■月のもとに白く-White in the moon the long road lies

「光の六つのしるし」の中で、大雪の為に一時避難所になったハンタークーム館で、音楽会(レクリエーション?)を始めようと、ミス・グレイソーンウィルに何か歌うように勧めた。ウィルは音楽教師がウィルのために転調してくれたばかりのこの曲を選んで歌う。歌の途中でウィル旅人を光に引き込める気がしたが、それは叶わなかった。しかしもの悲しく印象的なシーンである。
関係あるかどうかは解らないが、ウェールズのセント・デヴィッズはローマ支配時代にMenevia「月の道」と呼ばれていた。

詩人A.E.Housman(1859〜1936)による、「A Shropshire Lad」(シュロップシャーの若者)という詩集の第36連にあたるそうです。日本でも「ジュニア版世界の詩 イギリス・アメリカ編」に掲載されるほど有名な曲のようです。

作曲:A.E.Housman
  

White in the moon the long road lies,
The moon stands blank above;
White in the moon the long road lies
That leads me from my love.

Still hangs the hedge without a gust,
Still, still the shadows stay:
My feet upon the moonlit dust
Pursue the ceaseless way.

The world is round, so travellers tell,
And straight though reach the track,
Trudge on, trudge on, 'twill all be well,
The way will guide one back.

But ere the circle homeward hies Far,
far must it remove:
White in the moon the long road lies
That leads me from my love.
   

月に白く長い道、
月は虚ろに空の上
月に白く長い道、
いとしの人よりわれを離く、

風なき崖はゆるぎなく、
影は静かにたゆとうも、
月の砂踏むわが足は
果てなき道をたどるのみ

世界は丸いと人はいう
直く伸びゆく道なれど、
ひたすら歩め、案ずるな、
いずれめぐりて還るゆえ

だが立ち還るその前に
まずはるかなり旅の道、
月に白く長い道
いとしの人よりわれを離く
   

03/1/12更新
TOP * * 貴賓室 * * 鳥の戸