■ミード-蜂蜜酒-Mead
クリスマス・キャロルの「よきウェンセスラス王」を歌いながら、ウィルは扉を開けて1975年のグレイソーン館に訪れ、当時のクリスマスの宴に参加するが、その時飲んだ飲み物。
蜂蜜を原料にした酒。人類が最初に出会ったアルコール飲料とも言われている。果実の収穫が少ない北欧を中心に広まり、ケルト文化圏ではハーブ、果実、花などで様々なバリエーションが楽しまれた。
シェイクスピアの戯曲にもMetheglin(メセグリン)として登場する。
最近ではリンディスファーン・ミード(リンディスファーンの福音書と何か関係のある商品名なのでしょうか)という商品名で、稀にデパートの酒類売り場で見つかる事もあるそうです。もちろん現地に行けば売っているので、海外のお土産にもお薦めですが、雰囲気と共に楽しみたい方には、古城で観光客向けに催されている中世風ディナーで飲むことも出来ます(JINとSHURIはカーディフ城で飲みました、美しい金色で、甘くて美味しかったv) 〜しかしもっと素朴な味を身近に味わってみたいなら、自分で造るという手があります。
★ドライ・ミード4,5リットルの造り方
【用意するもの】
・一時発酵容器(容量5リットルの口の広い物)
・二次発酵容器(容量5リットルの口の狭い物)
・ビール瓶(500mlの中ビンを9本)
・王冠打栓器と王冠9個(コルクで代用も可能)
・発酵栓
・機械栓
・ビニールラップ
・サイホン
【材料】
・ハチミツ1kg
・酵母2g(ワイン酵母でよく売られているもので、
パスツール・シャンパンや英国製ワイン酵母等があります)
・レモン2個
・タンニン2.5g(紅茶の煮出し液15mlでも可)
・水(全体の出来上がり量が4.5リットルになるように調節しながら加水)
【造り方】
- 発酵用容器の4.5リットルの部分に印をつけておき、2リットルだけ水を入れておく。
- 鍋に2リットルの水を入れて火にかけ、沸騰したらハチミツを溶かす。これを1.の容器に移しレモン汁を加えたら、全体が4.5リットルになるまで水を入れる。
- 加水後、液体が18〜24℃になったことを確認したら、タンニン、酵母を入れ、ラップで密閉して置いておく。しばらくすると発酵が始まる。
- 一週間ぐらいそのままにしてから二次発酵容器の狭口のビンに移し、発酵栓を付ける。
- 3日ぐらいすると発酵栓が動かなくなるので、サイホンで澱引きしてビンに移し、コルク栓を軽く打つ。この段階でストッパー(機械栓)で閉めて、冷蔵庫に入れてしまえば発酵も終了し、軽いミードの完成。冷やせばすぐに飲む事も出来る。
- 発酵を継続したければ、暗く涼しい所に一ヶ月おき、二回目の澱引き(ミードは澱が少ないので簡単だそうです)ののち、しっかり打栓してさらに一年ぐらい寝かせると味も落ち着いてくる。
※この他にホップを使ったエール・ミードのレシピも有ります。ご希望があればご紹介します。
※酒造りの道具(打栓器、酵母、サイホン、発酵容器などは、東急ハンズのホーム・ブルーワー売り場で購入できます。)
☆物凄く簡単なミードの造り方
ここでご紹介するミードは出来上ると少し濁っています。冷蔵庫で数週間から数ヶ月寝かせながら澱引きすれば、クリアになります。※加熱処理をしていない天然そのままの蜂蜜だと、酵母が無くても発酵するそうです。しかし雑菌の混入にはくれぐれも気を付けて!
【用意するもの】
・ミネラルウォーターの2リットル入りペットボトル(未開封)
・はちみつ500ml
・酵母小さじ一杯半(シャンパン酵母がお勧め、パン用イーストだとパン臭くなります)
・レモン汁少々
・紅茶葉ティースプーン一杯分
【造り方】※雑菌には気を付けてください。
- ミネラルウォーターをカップ一杯分沸かし、紅茶をいれます。
- ペットボトル内の水を1200mlに減らし、はちみつ500mlを入れます。
- ペットボトルの中にレモン汁と、1.のカップ一杯の紅茶を混ぜます。
- よく振って混ぜ、酵母を入れます。ホコリや雑菌が入らないように、空気が抜ける程度に蓋をして、保存します。
- 夏なら3日ほど、冬なら一週間ほどで発酵して蜂蜜酒になりますが、放っておくと、どんどん発酵が進み、蜂蜜の糖分が全てアルコールになるので、アルコール度を上げたければ、結晶ブドウ糖をかなり大量に入れて、同じように数日放置します。
- 適当なところで冷蔵庫に入れて、発酵を止めてから、きちんと栓をします。底に澱が溜まってくるので、何度か別容器に上澄みだけ移します(これを澱引きと言います)澱は大事な酵母なので、パンを焼いたり次のミードを仕込みます。
- 味見をして、甘みが足りなければ蜂蜜を足したり、お好みでレモン汁を添加したりして味を調節してください。
- 数週間冷蔵庫で寝かして、澱引きを繰り返すと、金色の透明なミードになります。そうなると雑味が無くなり、美味しくなります。
2008/10/28更新
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