■トリウィシック-Trewissick

コーンウォールの架空の漁村、ただしセント・オースル(St Auatell)は実在します。トリウィシックのモデルは、コーンウォール中部の保養地、ミヴァギッシィ(Mevagissey)ではないかとの説が有力。作中でセント・オースル駅から5マイルとあるように、バスで行ける距離にあります。ちゃんとケメア岬のモデルらしき岬や、謎の立石の立つ岬などもあるらしい。頭のTreは現代に残ったコーンウォール語の片鱗で、「家」と言う意味だそうです。
作中ペンハローさんがトリウィシックの港から「ケメア岬のさき二つ三つの湾をいったところ」のドッドマンまで歩いて行ける程潮が引くと言う記述があるが、ミヴァギッシィもそうなのでしょうか?

「コーンウォールの聖杯」で、ジェーンが木びつの中で見つけたガイドブック「トリウィシック早わかり」は「トリウィシック、セント・ジョン教会牧師、美学修士(オックスホード大学)法学博士(ロンドン大学)E=J=ホウズメラー編(E.J.Hawes-Mellor,M.A.)」となっていて、子供には「たいくつな研究」のページが多かったが、トリウィシック村の古い詳しい地図にケメア岬の古名を見つけ、第一の古文書を解く大きなヒントになる。

トリウィシックのイメージは、ミヴァギッシィの他にも複数の、コーンウォール各地のアーサー王関連の土地をモデルにしているのではないかと思われます。コーンウォールはアーサー王縁の地となっている遺跡や城が多く存在し、伝承も沢山残る地方です。そう言えばあの辺りにはトレヴィシックという名前の町もあります、残念ながら綴りが違うのですが。
仮説ですが、ケメア岬の騎士ベドウィンの墓という発想は、同じくマーク王に関連の深いトリスタンの墓に着想を得ているのでは?
漁師や海の側に住む人々は島国の民?

作中では8月の半ば過ぎに、収穫祭と言われる観光客目当てのカーニバルがある。3月の復活祭には、みどりの妖婆の儀式も村の女達によって行われる。
観光客目当てのカーニバルとは、ここ数十年で盛んになったコーンウォールの復興運動で新たに盛んになったイベントが幾つもあって、そのイメージをさしているのかもしれない。

「コーンウォールの聖杯」では東北弁に近いような?方言でしたが、「みどりの妖婆」では九州弁になっていました。まあ日本人の私たちから考えれば、ブリテン島南西部で位置的イメージにはぴったりかも(笑)ただ九州弁は少々つっけんどんな印象を与える言葉なので、「みどりの妖婆」になってからの村の人々のイメージがあまり良くない、と言う声があるのはそのせいかも?

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